竹、葦などを使った管だけの、またはそれに 吹き口と指孔をあけただけのシンプルな笛は
世界中に分布しているが、 その魅力は、まずそれぞれの笛たちの持つ
独自の音色にあるといえるだろう。

音色の違いに耳を澄まして 笛の生まれ故郷の風土やあれこれを想像する至福。

もうひとつの魅力は ポルタメントの自由度の高さ。

これらシンプルな笛は すべての指孔を直接指でふさいで演奏するので、
指を少しずつずらしていくことで たとえばソからラ、ソからシへ
滑らかに音程をスライドすることができる。

絶妙、というべき快感。

意外なことだが、モダン楽器のフルートは 構造上、ポルタメントが不得意という。

− 世界各国の笛でジャンルを超えた新しい音楽を創り世界に発信していく −

このプロジェクトを "野田晴彦 笛曼陀羅"と名付けました。

では、以下に笛たちをご紹介いたしましょう。

 
   
■リコーダー(Recorder )  

西洋のルネサンスやバロックの時代の音楽を演奏する楽器として、また教育楽器として身近なリコーダーですが、ポルタメントやヴィブラートなどのテクニックを使うとSweetな雰囲気が出て、なかなかイイ感じ。

ポピュラー音楽の分野でのリコーダーの新しい可能性を追究すること、これも笛曼陀羅プロジェクトのテーマのひとつです。

※ 上から アルト ソプラノ ソプラニーノ

   
■アイリッシュ・ティン・ウィスル(Tin Whistle)  

アイルランドで最もポピュラーな笛、ティン・ウィスル。
ブリキ(Tin)でできた笛、という意味。
哀愁を帯びたすこしハスキーな枯れた音色が魅力。

※ 上から C管 D管 D管


   
■アイリッシュ・ウッド・ウィスル(Wood Whistle)  
ウッドウィスルは木製のウィスル。
スケールの大きなメロディーを演奏すればリコーダーを超える表現力。

   
■アイリッシュ・ロウ・ウィスル(Low Whistle)  
ティン・ウィスルより1オクターブ低いので、指孔の間隔が非常に広く、第2関節で押さえないと孔がふさげません。

息が多量に必要ですが、尺八を思わせる力強い表現も可能なユニークな笛です。

   
■篠笛(しのぶえ)  
繊細でやわらかい竹の音艶(ねづや)は、やはり他に類を見ない「日本の音」!

大好きなこの笛(ぼくらの国の笛!)と西洋楽器とのアンサンブルによる、伝統邦楽とはまた違った新しいサウンドの創造、もまた笛曼陀羅プロジェクトの目ざすところである。

   
■アイリッシュ・フルート(Irish Flute)  
こちらはアイルランドの横笛です。
暖炉の火を思わせるようなほの暗い、少しくぐもったような音色はヨーロッパの金属フルートにはだせない味。

   
■バーンスリ(Bansuri)  
インドの横笛。篠笛と同じく竹製ですが大型で指孔の間隔が広く、第二関節で押さえるテクニックが必要。

篠笛では出せない低音と、太い音色で、哲学的瞑想のイメージや官能的浮遊感が表現できる。

   
■ケーナ(Quena)  
「コンドルは飛んで行く」であまりにも有名なアンデスの笛。
振幅の細かいヴィブラート、短くて速い装飾音、タンギング、ポルタメント…
他の笛には出せないニュアンスを醸しだします。

音が鳴るまでかなりの稽古時間を要します。

   
■サンポーニャ(Sanpona)  
ペルー、ボリビアなどの民族楽器。
長さの違う葦の管を横に並べた構造で、いわば口で吹くパイプオルガン。
管の長さが1メートルを越えるものもある。
素朴で哀愁のある、風のような音色がとても魅力的。

   
■竹リコーダー(Bamboo Recorder)  
何年か前、小説家・水上勉さんの山荘におじゃまし笛を吹いたことがあるんですが、そのおりにいただいた中国の笛。

おそらくおみやげ用の民芸品なのだろう、音程は良くない(平均律を基準にしてのことに過ぎないが)けど音色になにやら惹かれるところがあり、小林弌氏のジャンベとセッションしてみたら面白い味がでた。

   
■巴烏(Ba-u)  
中国では笛子(ディーズ)とならんでポピュラーな巴烏(バウー)は雲南の笛。
独特の音色の秘密は、吹き口に付けられた真鍮製のリードにあります。
牧歌的でおおらかな音色からは想像できないほどの強い息圧を必要とします。
演奏中の顔がカエルみたい、と言われていささか傷ついたことがある。

 
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